国名 | アルゲント諸侯連合 | |
英語名 | Principality Union of Argentum | |
国旗 | ![]() | |
首都 | アルタリカ | |
元首 | ノルフェスター侯マルク | |
国の標語 | アルゲントの民に栄光あれ | |
政体 | 領邦制(諸侯連合全体)、制限君主制(連合内諸侯国) | |
言語 | アルゲント語 | |
民族 | 在来人類80% 外来人類6% 亜人類14% | |
宗教 | 多神教 | |
通貨 | ジル |
概要 †
アルゲントと呼ばれる地方に存在する諸侯領(諸外国で言う州に相当)の連合体として存在する国家。
歴史上、統一王朝が存在した時期があり、地方内での人種的均質性は高い。
現在は中央集権寄りの領邦制をとっている。
歴史 †
○伝承時代
伝承によれば、その昔、この地に「国」はなく、人は大地の上にまばらに点在して暮らしていたという。
だがある時、夢枕に立った月神の啓示により、大地から「聖なる素材」=「銀」を得た者が現れた。
彼はその銀で祭器を作り、月神を祀ることによりその加護を得た。
そして、神の様々な知恵を神託によって垣間見、それを他の者に等しく教え授けた。
大地を耕し、恵みを得る方法。どんな道具を作ると、どう使えるか。神を祀るために守ること。人としてすべき事、してはならない事は何か。
彼自身の徳もあり、その周りには人が集まっていった。そして月日が流れ、皆が神に感謝するようになった頃、彼は王として推戴された。
王が月神から啓示を受けた地には都が築かれ、人の集まりとしての「国」が生まれた。
そして王は神託の下、都に「アルタリカ」と名づけ、この地に「王朝」を築くこととなった。
かの者の名はアルゲント。のちに「初代王」と呼ばれる者であった。
○王朝時代
アルゲント王朝は次代の王アシミをはじめ、七代セレブロまで受け継がれ、繁栄した。
そして「初代王」の作りし祭器一式もまた、王権の証として代々継承されていった。
だが八代目の王・フェッダは月神を蔑ろにし、その祭祀を長く怠ったため、月神の加護を失った。
更にフェッダは、代々伝来してきた祭器を溶かし、己の王冠を作ろうとした。
この目論見はすぐに太陽神の知る所となり、「我が母を軽んじた」と怒りをかう事となる。
しかしてフェッダは程なくして高熱に倒れ、冠を作ることなく世を去った。
フェッダの死によりアルゲント王家は継承者不在となり、王朝は断絶した。
○諸侯時代
フェッダの死後、諸侯は王都において一堂に集い、話し合った。
そして、伝来の祭器を用いての祭祀を復活させると共に、神前にて以下のことが取り決められた。
・単一血統による世襲王は、これを廃すること。
・王の代わりに、初代王の血を引く諸侯から主導する者を選ぶこと。
・祭器は諸侯が分散して持ち、祭祀ごとに持ち寄ることで、神への畏敬を共有すること。
・諸侯同士の戦を禁じること。
以後、アルゲントの地は完全に分封され、それぞれが諸侯国として成立。
アルゲント全体の主導者を戴きつつ、諸侯国の連合体として治められることとなった。
●以上は一般に「アルゲントの歴史」として話されるものであるが、
文明のない環境の人間が突然銀を扱える程に知的になる点や、フェッダ王への天罰が
太陽そのものではなく熱にまつわるものである事から、異論も多い。
一説には、ディスコードにより隔離される前に外部から接触があり、それが形を変えて
語り継がれているとも言われる。
ディスコード「スペクル・ネブラ」 †
初代王の世より、アルゲントの外には世界はない、と見なされていた。
というのも、かつてアルゲントの地から見て外側の方角には、常に霧のようなものが立ち込めており、その外を伺うことが出来なかった為である。
勇敢にも外に向かった者は少なくないが、そのことごとくが前後不覚となり、外のことを覚えているものはいなかった。
これは陸・海を問わず起こることであり、たとえば陸であれば当人が気づかぬうちに来た道を出発地に戻るように歩いていたり。
海に船で出て流された漁師が霧に入り、気がつけば母港に戻っていた、という事さえあった。
そしていつしか、上記の現象を総称するものとして、この霧は「スペクル・ネブラ(古代アルゲント語で『鏡の霧』の意)」と呼ばれるようになった。
宗教面でいえば、「スペクル・ネブラ」は空神アイルの御技であると見なされ、「旅で迷うことなし」という加護であると共に、
「アルゲントの地を出てはならぬ」という戒めでもある、と捉えられるようになった。
アウローラ(ディスコードの消失) †
「スペクル・ネブラ」の消失が初めて知られたのは、ほんの数年前。
それは、とあるアルタリカの旅人が、その先で見知らぬ土地を訪れ、草木を持ち帰ったことから始まった。
旅の者は、海に沿って旅をしており、最初は土地の珍しさを、を自身の単なる無知ゆえだと考えていた。
だが旅から帰った後に語ってみれば、周囲の誰もそのような土地を知らず、また持ち帰った草木もまるで見覚えの無い品であった。
その出来事は数日のうちに市長、諸侯、そして元首と伝わっていき、またその過程で、陸・海に関係なく同じ出来事がいくつも起こっている事が判明した。
そして旅人の帰還から一月ほど後、旅人の話の検証、およびアルゲント外の探索のため、探索船アウローラ号が出される事になった。(※アウローラ:古代アルゲント語で『夜明け』の意)
アウローラ号は1年以上の時間をかけて数度の航海を行い、アルゲントの有史以来初めて、ルヴァース世界のあらましを知らしめることになった。
「スペクル・ネブラ」が消失していること。
アルゲントの外には広い土地があり、数多くの国、異なる歴史、様々な文化、多彩な人が存在していること。
アルゲントを含めたこの世界が、「ルヴァース」と呼ばれていること。
そして、世界にはそれでもまだ知り得ないものが沢山存在すること。
その事実は諸侯・臣民を問わず驚きをもって迎えられると共に、アルゲントの民に外の世界への興味をかき立てることとなった。
そして時を置かずして、空神アイルを祀る神殿より「『加護から独り立ちし、飛躍せよ』という思し召しである」との発表があったことで、
この時をもってアルゲントは、本格的にルヴァース諸国との交流を始めることになる。
(歴史上公式には、この神託が出た時をもって、「スペクル・ネブラ」は消失したとされる。)
その後アルゲントの地では、ディスコード消失にまつわる一連の出来事を、探索船の名を持って呼ぶようになった。
「アウローラ」と。
地理 †
首都 †
○アルタリカ
アルゲント王朝時代の王都であり、諸侯会議はこの地で開かれている。
諸侯連合の中央組織が集まる中枢地域でもある。
名目上は筆頭諸侯の地位に付帯する直轄領とされるが、内政的には住民の合議により統治され、市長が選ばれる。
民族 †
アルゲントの地では、基本的に「他者と明確な意思疎通ができる事」をもって人間と定義している。
ルヴァース全体の基準に合わせ「在来人類・外来人類・亜人類」と区分けしているが、
臣民としては、ネイティブ・帰化の出自に関わらず、三者の間に権利義務の有無優劣はない。
在来人類 †
元来この地に暮らす民であり、諸侯はほぼ全てこの人種で占められている(ルヴァースとの交流前に出来た身分であるから当然だが)。
全体の傾向として髪や瞳の色が黒~灰であり、人種的均一性は高い。
農耕に従事している者、鉱山で働く者、森を生活の糧とする者など、様々な職の者がいる。
彼らは仰ぐ主君(諸侯)こそ違えど、「アルゲントの民」という意識については共通して浸透している。
亜人類ほどではないが、開拓には積極的である。
外来人類 †
ルヴァースとの交流が始まって以降、他国から移り住んできた者達である。
髪や瞳の色は主に金~琥珀である。が、逆に言えばそれ以外は在来人類と身体面ではあまり変わらない。
商業を手がける者や技術指導を行う者が多く、程度の差はあるが、平均して学術面で長ける傾向にある。
開拓については、開発を直接手がけるよりも、開発途中で必要なインフラ面で携わることが多い。
その能力上、囲い込まれる恐れを持ち合わせているため、政治とは距離をとる姿勢の者がほとんどである。
亜人類 †
ルヴァースとの交流が始まって以降、他国から移り住んできた者達である。
身体的特徴は様々であるが、比較的多いのは他国で「小さな人」と呼ばれていた種族である。
他の人類(特に外来人類)は、彼らのことを俗に「ドワーフ」や「ホビット」と呼ぶことが多い。
農業や鉱業に従事する者が比較的多く、中にはいち労働者から事業主となり財を成す者も現れている。
またアルゲントに居住する亜人の互助組織として、かつて「在アルゲント亜人総連合会」があった。
この組織は開拓地の開発にも取り組んでいたことから、開墾に最も積極的な人としても認識されている。
のち、総連合会主体で開拓した土地が分封され「南アルゲント自治共和国」として成立。
総連合会は自治政府として発展解消、少なからぬ亜人類が移住し、半ば自立した領域として年を重ねることとなる。
政治的な活動はこの後穏健化していくが、経済的にはなお一定の地位を占めている。
政治 †
政府機関 †
諸侯連合の政府は、以下の機関から構成されている。
元首府 ┳ 諸侯会議
┃ ┗ 議会
┃
┣ 内務局 ━ 医務部
┃
┣ 外務局 ━ (各国大使館)
┣ 財務局
┣ 通商局
┣ 産業局 ┳ 農業部
┃ ┣ 林業部
┃ ┣ 鉱業部
┃ ┗ 工業部
┣ 法務局
┣ 地理局 ━ 開発部
┗ 公安局 ┳ 警察庁
┗ 護国艦隊
元首(First Lord) †
行政者たる元首は筆頭諸侯と呼ばれ、諸侯会議での選挙によって選ばれる。
歴史の項で述べた通り、被選挙権は「初代王の血を引く諸侯」全てにある。
特にアルゲントの末裔とされる諸侯家は現在三家あり、元首を三家の当主が輪番で務める事が慣習化している。
この三家を総称して、「三侯爵家」と呼び習わしている。
・ノルフェスター侯爵家
初代王の次男、ノールを家祖とする家系。
ノールは元々、兄・アシミに何かあった場合の「控え」として王族に残る予定であったが、アシミの即位時に願い出て臣下に下った。
それ以来、南東部の広大な穀倉地帯を領地として治めている。
現当主は、第12代ノルフェスター侯マルク・ノルフェスター・アルゲント。
・メルキア侯爵家
初代王の長女、メルクを家祖とする家系。
最初の当主が女性であったからか、爵位を継承してきた歴代当主には女性が多い。
領地は東部にあり、主に商業で成り立っている諸侯国である。
現当主は、第11代メルキア侯アイリス・メルキア・アルゲント。
・ナハーティア侯爵家
七代王の三男、ナハースを家祖とする家系。
現存する家系では、最も旧アルゲント王家に近い血筋である。
初代が王太子時代のフェッダと仲違いし、臣籍降下して王族を離れている。そのため王位を狙う政敵と見做されず、フェッダ王の暴政時代を生き残る。
それが結果的には諸侯として北部の領地を治めつつ、元首職を務められる家系になっているのだから、なんとも皮肉なものである。
現当主は、第4代ナハーティア侯レイヤ・ナハーティア・アルゲント。
諸侯会議(Parliament) †
フェッダ王の死後、王都アルタリカで行われた諸侯の集まりに端を発する。
筆頭諸侯を選出する機関であり、その諮問機関を務める。
また議会より上奏された議題について論じ、布告する役割を担っている。
このプロセスによって布告された法は旧王朝の法と同等の強制通用力があり、各領邦の領主法に優越する。
諸侯会議には、元首を輩出する上記の三侯爵家に加え、諸侯連合を構成する以下の九伯爵家の当主が出席する。
・ラクセル筆頭伯爵家
・ユライス伯爵家
・クロクト伯爵家
・リュッツィー伯爵家
・アルテンシア伯爵家
・フレミング伯爵家
・セリュミーオ伯爵家
・ダムスク伯爵家
・ワイルズ伯爵家
また、南アルゲント自治共和国代表として同国主席に、アルタリカ市の代表として同市市長に出席権がある。
議会(Congress) †
一院制の立法府であり、議員は全アルゲントの一般臣民より選出される。
通過した議題は諸侯会議に上奏し裁可を得ることとなるため、事実上の二院制が成立している。
議会の筆頭者は「首相」と呼ばれ、臣民代表として筆頭諸侯を補佐する任を負う。
なお、諸侯およびその一族は諸侯国の君主であり臣民ではないため、議会の議員となる事はできない。
外交 †
元々アルゲントにおいて、外交とは「諸侯間の利害調整」を指し示す言葉であった。
アルゲント全体としての諸外国に対する外交については後述するが、
現状のところ相手国の民族構成(在来/外来人類種・亜人種)はさしたる問題となっていないようである。
ツィトラルコ連合 | アーネスト共和国(クークソニア・シルル列島諸邦) | ディノボルティア合州連合 | ハイリッヒ・アッフェル・フリューゲル帝政連邦 |
ルヴァース諸国連盟に加盟している。
原加盟国ではないが、第1回締約国総会より参加している。
国名 | 当該国駐箚大使 | 当該国在アルゲント大使 | 特記事項 |
ボルトニア共和国 | アーレス・ランドン | 食料輸出実績 | |
クシナダ小公国 | モニカ・サンタレスト | 月を信奉する共通点を持つ | |
ツィトラルコ連合 | ヨハンナ・フレミング(フレミング伯爵公女) | 震災時非常物資・義援金受入 | |
アーネスト共和国(クークソニア・シルル列島諸邦) | テトリクス・アルテンシア(アルテンシア伯爵公子) | 鉱物輸出実績・震災時非常物資・義援金受入 | |
エフライム国 | エミール・シェルマ | ||
ニスカヴァーラ王国 | ルキア・セリュミーオ(セリュミーオ伯爵公女) | 震災時義援金受入 | |
ハイリッヒ・アッフェル・フリューゲル帝政連邦 | リヴァン・ダムスク(ダムスク伯爵公子) | ミューズ・バーンスタイン大使閣下 | |
バラド=ドゥーア共和国 | パスカリス・キルト |
その他、災害援助等で、大使派遣のない他国とも交流がある。
国旗について †
国旗の「青地に白丸」は夜空にある月を象ったものであり、この地が月神の庇護により拓かれたことを示している。
また中央の「三本の槍」は月を表す占術記号のアナグラムであると同時に、
アルゲントの末裔である三侯爵家、および世界の三領域である陸・海・空を表している。
宗教 †
分類としては、多神教、自然信仰に近い。
初代王の血を引く三侯爵家は、かつての王家と同じく、主神たる月神を祀っている。
また月神の息子である太陽神や、大地、川、海、空、樹木などの神を信仰する者も諸侯・庶民を問わず存在する。
経済 †
最近までルヴァースの他地域との交流が皆無であった為、国内である程度経済が完結している。
そのため国際経済においてはまだまだ未発達であり、改善の余地が大きい。
国内通貨は「ジル」と呼ばれ、銀本位制の通貨である。
発行はアルタリカにある、その名も「アルゲント造幣銀行」によって行われている。
造幣銀行以外の通貨製造は諸侯会議の政令により禁じられており、国内の単一通貨である。
ただし、市井での決済用に為替・小切手も流通しており、本位通貨である銀貨と共に利用されている。
また、アルタリカの銀行では外国人向けに外国為替も行われている。
(為替レートは100ジルあたり12Nu=1Nuあたり約8.3ジル)
貨幣価値の参考として、臣民1人が1年間食べていくには、おおよそ500,000ジルが必要とされる。
産業 †
農業 †
国土全体としては冷涼であるが、火山周辺では地熱により比較的温暖な環境が保たれている。
南部の農業地帯では、「オリザ」と呼ばれる草が育てられている。この草の実はアルゲントの民の主食であり、他の作物より一段高い扱いをされる。
その他、実を粉に挽いて食べる草「トリティク」、実の塩漬けが保存食となる草「ソーヤ」、甘い実がなる木「ペルシクム」など、様々な作物が栽培されている。
600期以降850期現在まで、ルヴァース最大の農業規模と言われている。
漁業 †
近海での沿岸漁業が主である。
養殖技術は南西部の湖で実証試験をしている段階のため、未だ平均しての漁獲量は少ない。
工業 †
現状では、家内制手工業が主である。
しかしながら近頃、国の肝煎りで農業用の肥料や農産物の加工工場が火山の麓に建造されており、産業化の兆しが見え始めている。
観光 †
首都アルタリカにある王朝時代の市街のほか、アルゲント各地に様々な神ゆかりの聖地などがあり、巡礼や参詣を行う者が見られる。
ルヴァースとの交流開始後、これまでに各国より1万人の観光を受け入れている。
○アルタリカ神殿
アルゲントの主神である、月神レナを祀った神殿。
首都アルタリカの中心部にある…というより、この神殿の周囲に街が出来た、と説明するほうが正しい。
昼間でも荘厳な建物が目を引く観光地だが、夜、建物が月の薄明かりに照らされる光景は事のほか幻想的と謳われる。
その全体像を拝める神殿正面路は、巡礼の一大ポイントとなっている。
軍事 †
陸海軍 †
国内にはミサイル基地、ならびに「護国艦隊」所属の艦艇が存在する。
「護国艦隊」(☆は旗艦)
●戦艦分艦隊:☆戦艦「カリュブス」 巡洋「ラピス」 駆逐「テンペスタース」
●空母分艦隊:☆空母「コルニクス」 巡洋「ゲムマ」 駆逐「インベル」
●上陸艇部隊 上陸「アケル」
746期現在、対外的な軍事行動を行った事はない。
文化 †
「初代王」が銀を用いて祭器を形作ったことから、特に銀細工の生産が盛んである。
その冶金技術から発展する形で、金や銅、鋼、錫、その他にも数多の金属で造られた産物が数多く生み出されている。
銀は昔ほど多方面で用いられる事は無くなりつつあるが、今でも「清浄な金属」として、多くの重要な場面で銀や銀製品が用いられ続けている。
また年に一度、冬の満月の時季に、月神に捧げる祭祀が行われる。
これは最も歴史ある神事として執り行われ、かつてはこの為に諸侯同士の争いを取りやめさせる事すらあったという。