神聖ソーマニア帝国戦争とは、ヴェーダ歴608期に勃発した神聖ソーマニア帝国をめぐる戦争である。
神聖ソーマニア帝国戦争 | |||
時期:ヴェーダ歴608期~625期 | |||
交戦勢力 | |||
神聖ソーマニア帝国 | ツィトラルコ連合 | ||
ディノボルティア合州連合 | |||
アーネスト共和国 | |||
ハイリッヒ・アッフェル・フリューゲル帝政連邦 | |||
戦力 | |||
戦艦1隻 巡洋艦1隻 上陸艇3隻 | 巡洋艦5隻 駆逐艦1隻 上陸艇4隻 | ||
損害 | |||
上陸艇2隻 | 巡洋艦1隻 上陸艇1隻 | ||
結果 | |||
神聖ソーマニア帝国の滅亡 |
背景 †
ヴェーダ歴543期、ハイリッヒ・アッフェル・フリューゲル帝政連邦(以下HAF帝政連邦と表記)に対して2度にわたり3発のSTミサイル発射が行われ、同国民80万人が犠牲となる事件が発生した。
一部の国家はこの事件について調査を行い、神聖ソーマニア帝国がその実行国であると判断、同国に対し照会を行っていた。
これに対し、神聖ソーマニア帝国はこの発射を認めた上でHAF帝政連邦に対して一切謝罪しない姿勢を示した。その上、神聖ソーマニア帝国は所属していたルヴァース諸国連盟からの脱退を通告した上でツィトラルコ連合に宣戦布告した。
戦闘の経過 †
ツィトラルコ連合沖海戦 †
ツィトラルコ連合沖海戦 | |
時期:608期~614期(事実上) | |
場所:ツィトラルコ連合沖 | |
結果:神聖ソーマニア帝国優勢のまま終了 | |
交戦勢力 | |
神聖ソーマニア帝国 | ツィトラルコ連合 |
アーネスト共和国 | |
戦力 | |
神聖ソーマニア帝国海軍 戦艦1隻 巡洋艦1隻 上陸艇3隻 | ツィトラルコ連合海軍 巡洋艦1隻 アーネスト共和国義勇艦隊 巡洋艦3隻 |
損害 | |
神聖ソーマニア帝国海軍 上陸艇2隻沈没 戦艦1隻小破 | ツィトラルコ連合海軍 巡洋艦1隻沈没 アーネスト共和国義勇艦隊 なし |
宣戦布告翌期の609期、神聖ソーマニア帝国は保有していた艦艇全て(戦艦1隻、巡洋艦1隻、上陸艇3隻)をツィトラルコ連合に派遣した。ツィトラルコ連合側の防衛軍は巡洋艦1隻と弱体で、さらに神聖ソーマニア帝国の戦艦がツィトラルコ連合の巡洋艦のそばに派遣されたため極めて神聖ソーマニア帝国側に有利な状況だった。
ツィトラルコ連合の友好国で、ルヴァース諸国連盟の議長国であるアーネスト共和国は、ツィトラルコ連合に義勇艦隊の派遣を提案、ツィトラルコ連合の同意を受け611期に巡洋艦3隻から構成される義勇艦隊が派遣された。
611期にツィトラルコ連合の巡洋艦は神聖ソーマニア帝国の戦艦との砲戦の末撃沈され、一方アーネスト共和国の義勇艦隊は611期と614期にそれぞれ神聖ソーマニア帝国の上陸艇を撃沈した。
陸上でもミサイルの射撃戦が展開されたが、神聖ソーマニア帝国の7発に対し、ツィトラルコ連合のミサイル発射数は2発と低く、ここでも神聖ソーマニア帝国が建造中のツィトラルコ連合上陸艇ごと造船所を破壊するなど優位に戦いを進めた。
その後、611期にディノボルティア合州連合による神聖ソーマニア帝国本土攻撃が開始されたため、613期に神聖ソーマニア帝国艦隊主力(戦艦と巡洋艦)は神聖ソーマニア帝国本土へ転進した。上陸艇2隻はツィトラルコ連合沖に残ったが、戦闘艦艇が撤退したことを受けアーネスト共和国は615期に義勇艦隊を撤収、海上戦闘は終了した。その後神聖ソーマニア帝国がディノボルティア合州連合が送り込んだ人造怪獣への攻撃を始めたため、両国間のミサイル戦も停止した。
神聖ソーマニア帝国沖海戦 †
神聖ソーマニア帝国沖海戦 | |
時期:611期~625期 | |
場所:神聖ソーマニア帝国沖 | |
結果:神聖ソーマニア帝国 敗北 | |
交戦勢力 | |
神聖ソーマニア帝国 | ディノボルティア合州連合 |
戦力 | |
神聖ソーマニア帝国海軍 戦艦1隻 巡洋艦1隻 | ディノボルティア合州連合海軍 巡洋艦1隻 駆逐艦1隻 上陸艇2隻 |
損害 | |
神聖ソーマニア帝国海軍 なし | ディノボルティア合州連合海軍 上陸艇1隻沈没 |
ヴェーダ歴610期、ディノボルティア合州連合は神聖ソーマニア帝国に宣戦布告した。その翌期、ディノボルティア合州連合は保有する全海軍艦艇を神聖ソーマニア帝国に派遣、その翌期から攻撃を開始した。神聖ソーマニア帝国も613期に海軍艦隊をツィトラルコ連合沖から帰還させて応戦、その期に神聖ソーマニア帝国艦隊はディノボルティア合州連合の上陸艇を1隻撃沈している。
上陸艇をツィトラルコ連合に派遣している神聖ソーマニア帝国はディノボルティア合州連合からミサイル・人造怪獣による攻撃を一方的に受けることになった。
その後HAF帝政連邦の布告、人造怪獣の破壊活動も相まって、戦況は次第に悪化。625期に帝国は崩壊。元首ロード含む政府首脳は国外逃亡した。
外交交渉の展開 †
開戦前 †
先述したようにHAF帝政連邦へのSTミサイル攻撃を神聖ソーマニア帝国によるものだと断じた諸国は神聖ソーマニア帝国に対し照会を行っていたが、神聖ソーマニア帝国はこれに対しこの発射を認めた上でHAF帝政連邦に対して一切謝罪しない姿勢を示した。その上で、神聖ソーマニア帝国は608期にHAF帝政連邦に対する攻撃を重く見ていたルヴァース諸国連盟からの脱退を宣言、ツィトラルコ連合に宣戦布告した。
第2回ルヴァース諸国連盟総会 †
609期にルヴァース諸国連盟は第2回締約国総会を開催した。直前に神聖ソーマニア帝国から宣戦布告を受けたツィトラルコ連合は「神聖ソーマニア帝国の連盟加盟資格が失われた」という認識を表明、各国の承認を受け神聖ソーマニア帝国の加盟資格喪失が確認された。
これを受け、ツィトラルコ連合は614期に【ソーマニア帝国非難決議】と題した決議案を提出、神聖ソーマニア帝国と国内事情により欠席したアーネスト共和国を除く全加盟国が同意し、620期に可決された。
ディノボルティア合州連合の宣戦布告 †
610期、ディノボルティア合州連合は神聖ソーマニア帝国に対し正式に宣戦布告を行った。この理由については、「友邦であるツィトラルコの危機は我が国の危機と同義である」と同国は発表している。
アーネスト共和国の通告 †
ルヴァース諸国連盟議長国でありながら、国内情勢の影響で第2回ルヴァース諸国連盟を欠席した(議長国権限についてはツィトラルコ連合に委任した)アーネスト共和国は、開戦直後に生起したツィトラルコ連合沖海戦に巡洋艦3隻からなる義勇艦隊を派遣し、事実上海戦の主力として戦闘を行っていた。その海戦の最中である611期、アーネスト共和国は神聖ソーマニア帝国に対し「当面神聖ソーマニア帝国本土に対する攻撃を行わないが、ツィトラルコ連合に対する攻撃に対しては断固として反撃する」と通告した。
これに対し神聖ソーマニア帝国側も「我が国は貴国に対して可能な限りの配慮を行う」と宣言、両国の直接的な戦争状態突入は回避されることになった。
このことは、国内情勢のため大規模な外征を行いたくないアーネスト共和国と、本格的な交戦国を増やしたくない神聖ソーマニア帝国の利害が一致したことが原因とみられる。
神聖ソーマニア帝国の「帝国宣言」 †
神聖ソーマニア帝国は614期に「帝国宣言」を発表した。その内容は「自らの行為を正当化するつもりも全くない」「国民国家一丸となって玉砕を敢行することをここに宣言する」とし、「これらを肯定せずにしてなにが(中略)国際的アナーキズムか!」と結び、同国が国際外交の場に復帰する気が全くないことをはっきりと宣言した形となった。
ハイリッヒ・アッフェル・フリューゲル帝政連邦の報復宣言 †
戦争の発端となったミサイル攻撃事件の被害者であったHAF帝政連邦は、ここにいたるまで戦闘には関与してこなかった。
しかし619期、HAF帝政連邦はツィトラルコ連合の資金援助を受けて遂に参戦、神聖ソーマニア帝国を蛮国と断じ、ロード元首の処刑を要求する苛烈な「報復宣言」をもって宣戦布告した。
神聖ソーマニア帝国崩壊 †
HAF帝政連邦の参戦もあり、一時はツィトラルコ連合を初めとする多国籍軍が優勢となって戦いが進められていった。
そして、参戦から僅か6期後の625期、神聖ソーマニア帝国中央政府は突如その機能を喪失、国家として崩壊。これにより、多国籍軍の勝利が事実上確定した。
その後間もなく、廃帝ロードは国外の64地域で亡命を図ったところを拘束。HAF帝政連邦により、大量虐殺の責を問われ絞首刑に処された。
しかし、国家の崩壊と元首の刑死は、神聖ソーマニア帝国側に「降伏を宣言する存在」が居なくなることをも意味していた。そのため、関係各国は戦争における明確な区切りのないまま、その戦後処理を強いられることとなった。
戦後処理 †
帝国崩壊後の632期、HAF帝政連邦の発起によりソーマニア地方割譲統治会議が開催された。
議題となったのは旧神聖ソーマニア帝国領の帰属、並びに各種資源地帯の分割であった。
当初評では、旧領については西側承継を望むHAF帝政連邦が、領内の4ヶ所の資源地帯は戦勝国4ヶ国が各々1ヶ所ずつ権益を得るものと見られていた。
実際ツィトラルコ連合より出された案も、旧領についてはHAF帝政連邦、鉱山はHAF帝政連邦・ツィトラルコ連合、油田はアーネスト共和国・ディノボルティア合州連合という予想範囲内のものであった。
しかしこの案に対して、アーネスト共和国から油田ではなく鉱山を得たい旨の要望が出された。
アーネスト共和国はナアディシア大陸に位置しており、豊富な油田に比して鉱山が少ないことが背景にあるとみられる。
ツィトラルコ沖での共和国義勇艦隊の活躍は記憶に新しいことから、各国とも無碍には出来ず、この件で交渉が重ねられることとなった。
その結果、鉱山は陸上であり遠隔での管理は難しいとして、最終的にアーネスト共和国は要望を撤回。ディノボルティア合州連合が放棄した油田の権益を併せて領有することで、決着が図られた。
そして673期、これらの資源地帯が引き渡されたことで、権益上の戦後処理は完了。領土的な決着を残すのみとなった。
年表 †
現実時間 | 期 | 戦闘 | 外交 |
10月20日 | 608期 | 神聖ソーマニア帝国がツィトラルコ連合に対し宣戦布告 | |
10月21日 | 609期 | ツィトラルコ連合沖海戦発生 | 第2回ルヴァース諸国連盟締約国総会開始 |
610期 | ディノボルティア合州連合が神聖ソーマニア帝国に対し宣戦布告 | ||
611期 | アーネスト共和国が義勇艦隊をツィトラルコ連合沖に派遣 神聖ソーマニア帝国沖海戦発生 | アーネスト共和国が神聖ソーマニア帝国に「通告」を行う | |
613期 | 神聖ソーマニア帝国が艦隊主力をツィトラルコ連合から撤退 | ||
614期 | 神聖ソーマニア帝国が「帝国宣言」を発表 ツィトラルコ連合が連盟総会上で【ソーマニア帝国非難決議】を提出 | ||
10月22日 | 615期 | アーネスト共和国が義勇艦隊をツィトラルコ連合から撤収 | |
619期 | ハイリッヒ・アッフェル・フリューゲル帝政連邦が神聖ソーマニア帝国に対し宣戦布告 | ||
620期 | 連盟総会で【ソーマニア帝国非難決議】が可決される | ||
10月23日 | 625期 | 神聖ソーマニア帝国崩壊 元首ロード国外へ亡命 元首ロード ノードキア64地域にて発見・拘束 元首ロード HAF帝政連邦にて絞首刑 | |
10月24日 | 632期 | ソーマニア地方割譲統治会議開催 | |
10月31日 | 673期 | 旧神聖ソーマニア帝国領内資源地帯の引渡し完了 |